うちの母親はクリスチャンだ、今も日曜協会に通ってる
以前ハリー・ポッターが流行ったときに「魔法が流行るなんて考えられない、世界は報いを受けるだろう」とか書かれたビラを持っててドン引きだった
引いてる俺を見て苦笑いをしながら「協会でこういうビラを配る人がいるのよね…ちょっと変な人でね…」って言ってた

以前は仏壇を設置して祖母の位牌に毎朝会社に行く前に般若心経を唱えてた
熱心な仏教徒だったように見える、変わったのはうちの親父が家族を置いて逃げた後だった

「お婆ちゃんに勧められて仏教徒になったけど、いいことは何もなかったわ」

と吐き捨てるように呟いた
最近、実家の仏壇は撤去されたらしいw位牌は叔母に送りつけたとか

学生の頃、頻繁に警察にお世話になった
身元引受に来てもらった母親には口汚く罵られ、しばらくの間「外泊禁止、ゲーム禁止、日曜協会に付き合うこと」と宣言されたことがある

それも、「キリスト教はおかしい、あんなに異教徒を迫害してきた歴史があるのに、隣人愛を説いている、矛盾がある、エルサレムから遠く離れた島国で信徒数も少ない宗教を信じて少ない集団で定期的により集まっているのは単に現実世界からの逃避だ」みたいなことを言ったり、日曜協会で実際に他の信者と話してる母親の会話を聞いて、目の前で素で鼻で笑ったりした後は二度と誘われることはなかった

「みんな、あなたみたいに強い人ばかりじゃないのよ」

と言われたが、特別自分が強い意志を持ってるような気はしないし、周りの人に聞いてもそうだろう
そんな母親に言わせると僕は「無神論者」らしい、確かに特別な宗教は選択していない

でも、僕から言わせてもらえれば、天国に行くためにお経を唱えたり、教義に沿った行動をしたり、宗教を途中であっさり変えたり、もっと言わせてもらうと、友達が殆どおらず寂しい、でも普通の友達とあまり仲良くしたくない(できない)、宗教があれば老若男女と集まりに参加しているという安心感を得ることが出来るーという母親の生き方は、その宗教に対してある意味不誠実にも見えるw

霊魂は存在せず、人間の体は脳がコントロールしている、と習ったアメリカの学生が、脳を拳銃で撃ちぬいて自殺したーなんて話を聞いたことがあるんだけど
その生徒にはその事実がそれほどショックだったのか、それとも霊魂はあると絶対の確信をもって自殺したのかw
とにかく、僕に取っては死んだ後、天国だか地獄だかがあってそこに行く、もしくは輪廻転生で生まれ変わるとか、前世がどうどうとかーあまりにナンセンスで話し合う余地もない、っつーか死んで死後の世界にもし『本当に』行ったら衝撃だろうねwwwwww

死後の世界に魂が流れていくのであれば死後の世界は無尽蔵に魂が増えていくだろう、輪廻転生するとすれば増加は抑えられるが、それでは生命が増えているのと、地球の原初は生命体が居なかったことに対して矛盾がある

だから死後の世界などというあやふやな物は無い

じゃぁ、お化けは居ないのか?とか怪力乱神は無いのかといえばそれも間違えで
文化や人間の集団認知としてのある意味理解出来ない事象はある、たとえば人が多く死んだところでは寒気を感じる人がいる、とか、マンションのある一室に住む人は毎回不幸が起こる、とか、狐が憑いて狂ったような行動を取る、とかは、ある

何故かといえば自然科学で、例えば吸血鬼の伝説などはそれぞれの疫病の事象の集合体だ
ペストとか、狂犬病とか、ウイルスや細菌で媒介していく疫病がそういうイメージを作り出すわけだが、意外にリアルだと思う

たとえば鳥インフルエンザは本来人間には感染しないが、鳥がたくさんいるところに出いりしている人には感染することもあるという、これを「鳥の呪い」といえば当然そうだろう

なので僕は「怖がり」なのもあるけどそれぞれの文化や民族伝承などには余りタッチしない
触れるときは当然敬意と畏怖を込めて接する

でも、それは「老人を大事にしなさい」という道徳的な観念と余り変わらないような気がする
何故「老人を大事にしないといけないか」それは生命的に終焉を迎えようとする生命体に、できれば辛い想いをさせずに生活させたい、という社会的通念だ、それを形にしたのが儒教で
何故かといえば、誰しも老後辛い思いをして生きたくないし、その個体が死んでしまった後、遺された個体が罪悪感に苛まされないようにというシステマチックな理由だと思う

例えば天国などは無いが、子供をつくることで、自分という個体が滅びることの恐怖から逃れることができると思う
遺伝子を残さず逝ってしまった個体は無念だと思う、そういう見解で故人の事を判断すると胸が苦しくなる時もある、それは生物として自然なことだ

自分という個体は生命を維持するために様々な恩恵を大地から得ている
それを死後は大地に還元するのが生き物として正しい形だと思う
出来れば焼かずに土葬がいいが、土葬は土葬で伝染病の原因にもなると思うとちょっと判断が難しい

これって母親よりもっと真剣に生命としての自分について考えていると思う
死後、天国に行けるなどと聞いてそれを自分を偽って信じることで生として、また思考する生物の人間としての己の矜持を全うしないのは良くないと思うわけです

でも、結局、新興宗教にハマるよりは日曜協会に行ってたくれたほうがマシ、と思って放置してるわけで
なにか所属しないと安心感を持って生きていけない、これも生き物として正しい形だと思う