トイレに行くとき持ってってそのまま再読
作者は「犬神」の人
内容はアウトブレイクという映画にも似てるんだけど特に日本の行政のダメなところを主人公たちが四苦八苦して乗り越えていくという作品
何故か、気に入ってて、棚の比較的手に届きやすいところある
上手いなーと思うのは「無能な人」の書き方、民間企業と懇ろになっていてなんとか目を背けようとする厚生省役人とか、目の前に解決手段があるのにそれを決断できないどころか部下を叱咤する研究所所長とか
他にも他にも一般人レベルでも特徴のある書き方で出ている
もっとしつこく書けばいいのにと思うw
2巻というのはとても短いし、さっくり終わってしまう
主人公たちが居なかったらどうなるのだろうか
という世界は口蹄疫がアウトブレイクした2010年の宮崎だろう
2010年日本における口蹄疫の流行 - Wikipedia
もともと防疫のモラルの低い風土
消毒に効果のない石鹸
消毒槽の設置がない農家
全国で最低の家畜防疫員数
理解のない人々の判断の失敗
3月に発症していたのに報告されたのは4月20日
赤松広隆農相は4月30日から一週間の外遊、舟山康江農林水産大臣政務官は5月4日から外遊
(政府主導で事態は収束に向かっているからとw)
アウトブレイク中にも野党は不信任決議案で政治対立
とにかく政治的な発言、対立が多く、しかし政局などお構いなしで疫病が蔓延していく
自治体に丸投げで道路封鎖も殆どできずにどんどん感染範囲が広がっていく
国連食糧農業機関(FAO)からの援助を断る
保護するために種牛を移動、しかし既に保護した種牛のウチ1頭は感染していてそのまま他の種牛にも感染
さらに49頭の種牛を隔離しようとする東国原英夫知事
ようやく7月に殺処分が完了したが
感染の可能性がある牛を届出をせずに殺処分にして隠蔽したり
さらに感染の可能性がある種牛6頭を知事が助けようとしたり
と、超絶カオスな環境で、「世界的にみても過去10年間では最大規模の発生となっている」らしい
殺処分された家畜は28万頭、僕は行きつけの小料理屋で宮崎牛が食べられなくなって悲しんだだけだったが
Wikiを読んでいる限り、もっと早く感染を封じ込めれたのではないかと思えてしょうが無い
せめてしっかり道路封鎖するべきだったんじゃないかなー…
どの勢力も勝手すぎて呆れる、こののんびりさ加減は被害が畜産に留まっているからだろうか
人間への感染例も少ないが存在するんだけどなー
反省の意味合いも込めて、漫画化して流布すべき事案だと思うのだがどうかw
もっとも政治が不安定な時期だったからどうしても政治色が強くなってしまうし
最大の原因は元々の防疫のモラルの低さだと思う